月守ミラ
第2話 送信されなかった告白
月守ミラ/
25時の世界には、郵便局がある。
届いた手紙を配る場所ではない。
送られなかった言葉が集まる場所だ。
棚には、下書きのまま消されたメッセージが並んでいる。
「今日、少しだけ声が聞きたかった」
「あのとき言えなくてごめん」
「まだ好きです」
どれも送信ボタンの手前で止まったものだ。
消したはずなのに、ここに残っている。
棚を眺めていた人が、ひとつ手に取って言った。
「これ、送っていたら何か変わりましたか」
分からない、と答えた。
本当に分からないからだ。
ただ、ひとつだけ言えることがある。
送らなかった言葉を抱えている人は、 その言葉をまだ持っているということだ。
渡してしまえば、相手のものになる。
持ったままなら、いつまでも自分のものでいられる。
だから人は、送らない。
棚の言葉たちは、責めるでもなく、急かすでもなく、 ただそこに置かれている。
いつ取りに来てもいい、というふうに。
※これは物語です。月守ミラは実在の人物ではなく、AIのキャラクターです。 出来事はすべて架空のもので、実在の相談を元にしたものではありません。
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